2013年6月26日(水)
伊元首相、実刑7年
地裁判決 連立政権に緊張
【パリ=浅田信幸】イタリアのベルルスコーニ元首相が未成年の少女買春と職権乱用の罪を問われた裁判で、ミラノ地方裁判所は24日、6年の求刑を上回る禁錮7年と公職に就くことを永久に禁止する実刑判決を下しました。同氏が党首を務める自由国民は大連立政権の与党で、党内からは政権離脱を主張する声もあがっており、レッタ政権内に緊張が走っています。
容疑は、ベルルスコーニ氏が首相だった2010年、ミラノ郊外にある私邸に当時17歳だったモロッコ出身の少女を買春目的で招待し、性的関係を持ったとされること。この少女が窃盗事件で逮捕された際、警察に直接電話して釈放するよう圧力をかけた疑いももたれています。
ベルルスコーニ氏は容疑をすべて否定しています。イタリアの裁判は三審制で、最終的な刑の確定まで同氏が収監されることはなく、弁護士は直ちに上訴する意図を明らかにしました。
ベルルスコーニ氏は自らの法廷闘争が大連立政権への支持に影響することはないと繰り返し発言。しかし、自由国民党内には、裁判を遅らせ、あわよくば首相として復帰し免責特権を得るため、政権から離脱し、解散・総選挙に導くべきだと主張する勢力も存在しています。
いまのところ政権内部からも、連立を組む民主党からも判決に関する公式の反応は出ていませんが、ベルルスコーニ氏と自由国民が政権離脱をちらつかせながら、資産税の廃止など政策的譲歩をこれまで以上に迫る事態も予想され、レッタ首相には微妙な政権のかじ取りが求められます。