2013年6月22日(土)
再稼働ありきの新基準 笠井氏追及
規制委員長、異常水準の放出正当化
衆院特別委
|
日本共産党の笠井亮議員は21日の衆院原子力問題調査特別委員会で、原発の「新規制基準」が実態のないずさんなものであることを明らかにし、「国民の安全を置き去りにした、原発の再稼働ありきの新基準だ」と批判しました。(論戦ハイライト)
新基準は、炉心溶融を伴う重大事故の際、原子炉の格納容器の破損を防ぐため放射性物質を放出する「ベント(排気)」を行うことが柱の一つとなっています。新基準では、その際に放出するセシウム137を「最悪でも100テラベクレルに抑える」ことを目標にしています。
笠井氏が「原子炉等規制法は放射性物質の『異常な水準』での放出による災害防止を定めているが、100テラベクレルの放出は『異常な水準』ではないのか」とただしました。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「そういったことをせざるをえないこと自体が異常な状況」と認めざるをえませんでした。
笠井氏は、新基準で設置が求められる格納容器の「フィルター付きベント」は、加圧水型は「5年の猶予」が与えられ、猶予のない沸騰水型でも設置は「検討中」が多いと指摘。原則40年とする原発の運転期間も対策工事の計画だけで最長20年の延長を認めようとしているとして「結局、電力会社の意向をくんだだけだ」と批判しました。
田中委員長は「フィルターベントの設置は炉型によって違う」「対策を取る間に40年を超す原子炉もある」などと規制基準の骨抜きを正当化しました。
笠井氏は「そんな対応で、実際に重大事故が起こったら、どう責任をとるのか」と批判。「田中委員長は『世界でも一番厳しい規制基準』などというが、まったく実態を伴わない『安全神話』の復活だ」として原発再稼働をやめるよう主張しました。