2013年6月20日(木)
論戦ハイライト
厳罰と「道徳」押し付け
豊かな成長に逆行
宮本議員追及
衆院文部科学委員会で19日、いじめ防止対策推進法案(自公民維みなどが提出)についてただした日本共産党の宮本岳志議員。いじめの解決どころか、子どもの豊かな成長に逆行する問題点が浮き彫りとなりました。
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「懲戒」盛り込む
法案は、子どもに「いじめの禁止」を義務付け、いじめをした子どもに対する「懲戒」や「出席停止」を盛り込んでいます。
宮本 いじめは禁止すれば解決する問題ではない。いじめを行った子どもの心の傷や悩みを理解し、共感的に受け止め、人間的立ち直りを進めることが求められる。
法案提出者の笠浩史議員 個々の事情を踏まえ、適切に対応されるべきと考える。
宮本 人間的立ち直りを進めるどころか、厳罰主義そのもので、子どもの傷を深め深刻化を招きかねない。
「道徳教育充実」
法案は「道徳教育の充実」を盛り込んでいます。
宮本 市民道徳を培うことは大切だが、上から押し付けるのは逆効果だ。問題が起きた大津の学校は国の道徳教育推進指定校だった。市の調査委員会は「道徳教育の限界」を指摘している。
笠 道徳教育が不十分だからという考えではないが、道徳教育の有効性を否定するものではない。
宮本 現状の道徳教育では副教材重視になっている。このような法律を作れば、教師の一方的な教授、徳目解説がまかり通り、子どもたちが話しあって解決するような創造的な教育ができなくなる。
家庭教育を否定
法案では、「規範意識の指導」が保護者の努力義務とされています。
宮本 家庭教育の内容まで法律で義務付けることは、自主的な営みの子育て、家庭教育を否定するものだ。
笠 家庭教育の内容を具体的に規定したものではない。自主性の尊重を条項に書いている。
宮本 わざわざ書かなければならないところに、「自主性の尊重」に危ぐがあると自ら認めている。
「知る権利」なし
大津事件では学校と教育委員会の隠ぺい体質が問題になりました。
宮本 いじめ被害者の保護者らが求める「知る権利」は保障されるのか。
笠 「必要な情報を適切に提供する」とした。
宮本 何の担保にもならない。大津いじめ自殺事件の被害者のお父さんは、「何も変わらない」と指摘している。知る権利を明確にすべきだ。