2013年6月19日(水)
きょうの潮流
空梅雨に恵みの雨となるのか、台風が近づいています。このところ、各地で蒸し暑い真夏日がつづき、熱中症にかかる人も多い。湿度が高く、暑さに慣れていないこの時期はとくに注意が必要です▼体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調整がとれず、体の中に熱がたまる熱中症。頭痛やめまい、けいれんなどを起こし、ひどくなると命を失うことも。先週は1500人近くが病院に運ばれ、4人が亡くなっています▼こまめな水分補給や適度な室温、はげしい運動を控え、外出時には暑さを避けることも予防になります。肝心なのは、自分の体力や体調に見合った行動を心がけること。これは何事にも通じていないか▼昨年、山で遭難した人たちが過去最多を記録しました。原因は道迷いが最も多く、滑落や転倒、疲労・病気とつづきます。登山ブームがつづくなかで遭難者は増えつづけ、この20年で3倍にも。なかでも中高年層に集中しています▼未経験者の増加とともに、体力の衰えを自覚せずに登る経験者が後を絶たない、との分析もあります。山を知り、身の丈にあった計画をたて、装備や体調を整える―。山の高低や難度にかかわらず、登る者の基本といえるでしょう▼山は非日常の世界。便利や快適さばかりを追い求める、日常の生活とは対極をなす場所です。登山家の田部井淳子さんは、大自然を満喫できる登山のすばらしさと同時に、そこでは「すべての行動は自分の責任」と説きます。己を過信せず、山を楽しもうと。