2013年6月14日(金)
兵庫 尼崎大気汚染訴訟が終結
大型車規制導入など成果
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兵庫県・尼崎大気汚染公害訴訟の和解条項実現について協議してきた原告団・弁護団と国、阪神高速道路(株)は13日、成果を確認して協議終結を合意しました。
同訴訟は、患者と遺族498人が1988年と95年に国や阪神高速道路公団(当時)、企業を相手に提訴。2000年1月の神戸地裁判決は大気汚染物質の排出差し止めを初めて命じ、同年12月、国が大型車規制をすすめることで和解が成立しました。
原告団と国、公団による連絡会が設置され、協議を続けてきました。この中で料金差を設けて大型車を阪神高速神戸線から同湾岸線に誘導する「環境ロードプライシング」や国道43号を走る大型車に中央寄り車線の走行を促す「環境レーン」が導入されました。
合意書では、これらについて「大型車交通量の低減や大気汚染環境改善等に一定の成果が得られ有効な施策であった」と確認し、和解条項履行に関する協議は終結するとしました。今後、国側は引き続きこれらを実施し、両者は沿道環境改善などで意見交換します。
両者は合意書に調印。松光子原告団長は「私たちがめざした世界一の成果ではないが、日本一の成果です。同時に亡くなった患者の思いが合意文書に書きこまれたことをかみしめたい」と語りました。道路公害で原告側と国側との合意文書締結は初めてです。