2013年6月12日(水)
いじめ問題 厳罰化で解決しない
国会内集会 与党の「防止法案」を批判
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「安倍教育政策NO・平和と人権の教育を!ネットワーク」は11日、国会内で、自民、公明の与党が提出している「いじめ防止対策推進法案」を批判する集会を開きました。約80人が参加しました。
穂積匡史弁護士が与党案の問題点として「道徳教育」の推進、厳罰化、家庭にも及ぶ統制管理などを指摘。「子どもの自己肯定感をはぐくむ条件整備が求められているのに、いじめる子とそれを放置する子に対する制裁に傾いている」と語りました。
小笠原彩子弁護士は、非行から立ち直った子どもたちの実例を挙げながら、「いじめをする子どもがどういう状態に置かれているかに光をあてなければ解決しない」とのべました。藤田昌士・元立教大学教授は、与党の「道徳教育」推進について、「いじめ問題にことよせて、政府のいう『愛国心』をかなめとする国家主義的な『道徳教育』の徹底を図ろうとするもの」と語りました。
会場からは、「厳罰主義でいじめはなくならない」などの発言がありました。中学校の教師は、いじめのあったクラスが、子どもたちが本音を出し合えるようにしていく中で、「あたたかいクラス」になった経験を語り、「抑えつけるのでは、いじめは隠れてしまう」とのべました。
日本共産党、民主党、社民党の国会議員が出席。日本共産党の宮本岳志衆院議員は法案をめぐる国会情勢について報告し、「子どもにとって良くない法律をつくってもいじめは解決せず、いっそう陰湿になる。そういう法案を通すわけにはいかない」とのべました。