2013年6月8日(土)
原発輸出推進で連携
日仏首脳会談 兵器共同開発も
安倍晋三首相は7日、フランスのオランド大統領と首相官邸で会談し、第三国への原発輸出に向けた連携強化を確認しました。「死の灰の商人」ともいえる安倍政権の原発輸出への前のめりな姿勢を改めて示しました。
会談後、両首脳が発表した共同声明では、「共同開発原子炉アトメア1の国際展開の支援」「第三国における協力を進めていく」とし、ヨルダンなど第三国での受注をめざす日仏合弁企業を支援することを明記しました。
三菱重工は、仏原子力大手アレバと合弁会社アトメア社を設立。最新鋭とされる加圧水型原子炉「アトメア1」を開発し、トルコの原発プロジェクトで排他的交渉権を獲得し、さらにヨルダンなどでの受注を目指しています。
共同声明は、両国は「民生原子力エネルギーに関するパートナーシップを強化する」「両国は原子力発電が重要であることを共有する」と宣言。六ケ所村再処理施設(青森県)に言及し、すでに破たんしている核燃料サイクルや「第4世代」とされる高速炉の研究開発のための連携を引き続き深めるとしました。
また、共同声明では、「防衛装備品等の分野における協力、及び輸出管理措置」を扱うと明記。両国は、武器の共同開発や武器転用が可能な民生品の輸出管理で合意しました。
日本政府は2011年に武器や関連技術の輸出を禁止している「武器輸出三原則」を緩和し、武器の国際共同開発に全面的に道を開きました。武器の共同開発で合意したのは、米英に続きフランスで3カ国目になります。
また、外務・防衛担当相による会合(2プラス2)を行うとし、そのために「対話の枠組みを創設する」ことを盛り込みました。