「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年6月8日(土)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 あれから12年の歳月が流れます。2001年のきょう、大阪の池田小学校に刃物をもった男が侵入、児童や教諭を次々に刺しました▼8人の幼い命と多数の負傷者を出した惨事。「なぜ、息子や娘は死ななければならなかったのか」。犯人は3年後に死刑になりましたが、答えのない問いかけはいまも続いています▼8歳の誕生日が近づいていた酒井麻希さん。「誕生日にはあれがほしい」、あの日両親とそんな会話をしていました。父親の肇さんと家を出る、いつもと変わらない朝の光景。それが母親の智恵さんが見た、元気な娘の最後の姿でした▼教室のなかで4カ所も刺されながら、自力で廊下を50メートルもすすんだ麻希さん。DNA鑑定でその足跡がわかり、両親は「娘の生きたいという心、たましいの叫びに、やっと触れることができた」といいます▼酒井夫妻は、1999年に起きた米国コロンバイン高校銃乱射事件の遺族と交流を深めてきました。そのなかで、娘に起きたことを知る、事件にかかわることに参加する、与えられた課題を成し遂げる―三つの行為に生きる意味を見つけてきたといいます(『たましいの共鳴』)▼最近、犯人の精神鑑定書が出版されました。事件を起こす37歳までの20年間、数カ所の精神科医療で治療を受けていた犯人。凶行に及んだ後の心境を「社会とさらばやな」と言い表しています。心に病を抱えたまま、ゆきづまり、ついに破滅の道へ。引き戻すことはできなかったのか。こちらの問いも続いています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって