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2013年6月5日(水)

きょうの潮流

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 首都圏の1級河川として、古くから人々の生活とともにあった多摩川。万葉集にも歌われた大河は、水質こそ変わったものの、いまも多くの魚類や動植物が生息しています▼ところが、最近になって異変が起きています。外来種のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)が急増。とくに5月の連休明けから、中流付近で目につくようになりました。在来種の生息が脅かされ、生態系への悪影響も懸念されます▼3日にNPO法人「おさかなポストの会」が実施した捕獲作業に同行しました。前日に仕掛けたかごを次々と引き上げると、大小のミドリガメでいっぱい。川で繁殖したとみられる3センチほどのカメをふくめ、27匹も捕まえました▼飼いきれなくなった魚やカメを引き取るおさかなポスト。同会の山崎充哲(みつあき)代表は、無断でカメを投じることを禁止してから川に捨てる飼い主が増えたとみています。「生物の飼育は子どもの情操教育にもなるが、最後まで面倒をみる責任と覚悟が必要」▼多摩川は外来生物の宝庫で「タマゾン川」ともいわれます。これまで、ピラニアやアロワナなど200種をこえる外来種を発見。ほとんどが、観賞用やペットで飼っていた熱帯魚やカメを違法に投げ捨てたものです▼問題は行政の動きが鈍く、ボランティアに頼りきっていること。「タテ割りの典型でどこも腰を上げない。もっと踏みこんで」と山崎さん。それぞれの場所で息づく多種多様な生命を守ることは、地球全体のバランスを保つうえでも大切なのに。


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