2013年6月4日(火)
前九電会長
“再稼働すれば寄付”
がんセンター式典の発言 共産党が抗議
佐賀
前九州電力会長の松尾新吾九州経済連合会会長が「原発を早く運転するなら何てことない」とのべたことが問題になっていますが、日本共産党佐賀県委員会は3日、松尾会長に対し「原発再稼働をさせないから寄付はできないと言わんばかりの脅し」との抗議文を送付しました。
問題の発言は5月29日の九州国際重粒子線がん治療センター=佐賀県鳥栖(とす)市=の開設記念式典でのもの。「切らずに治す」をうたう最先端の“がん治療施設”で建設費約150億円は県の補助や出資のほかは民間からの寄付で賄い、最大の40億円寄付を申し出たのが九州電力でした。原発事故による運転停止で原発依存の収支構造が悪化。実際は入金が3億円にとどまっています。
松尾氏は、約40億円の寄付は自分が言いだしたとして「(運転停止で)1日10億円の赤字。いつでも動く原発が止められて本当に今、死に体。4日早く運転すれば(残りの寄付は)何のことない」とのべました。
党県委員会は抗議文で九電の「やらせメール」やプルサーマル導入をめぐる世論ねつ造と安全性も世論も無視した強引な手段を選ばないやり方にふれ「原発再稼働との取引で寄付問題を持ち出したことは見過ごせない、反省がないことの表れ」と指摘しています。
同日、党県委員会は古川康知事にも松尾氏の発言に抗議するよう要請しました。