2013年5月30日(木)
橋下会見 海外から批判
「慰安婦」暴言 外国特派員協会
27日に日本外国特派員協会で行われた橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)の会見を受け、海外メディアは、同氏の「慰安婦」問題での認識について批判的なトーンで報じています。
“支離滅裂” 仏・フィガロ
保守系の仏紙フィガロ28日付(電子版)は、「スキャンダルにまごつく大阪市長」との見出しをつけ、「(慰安婦制度を)正当化したことを否認はしたが、説得力はなかった」と断じました。
橋下氏が何度も同じような表現を繰り返したことについては、「3時間に及ぶ支離滅裂な弁明の果てに、報道陣は、有名な大阪市長が何を言いたかったのか分からないまま退出した」と報じました。
またも妄言 韓・東亜日報
韓国の東亜日報28日付は、「橋下『慰安婦強制動員証言、信ぴょう性に疑問』 また妄言」の見出しで報道しました。
橋下氏の27日の記者会見について、「日本の慰安婦制度について何度も謝罪する一方で、『日本政府や軍が組織的に女性を拉致したり、人身売買をした証拠はない』と、これまでの主張を変えなかった。こうした彼の発言に対して、海外メディアだけでなく、日本メディアも冷笑的な反応を見せた」と指摘。「歴史を否定する本心は隠せなかった」と、その素顔がのぞいていることをあげています。
結局は政権 韓・中央日報
同国の中央日報28日付は、「第2の橋下氏を防ぐために」との見出しを掲げました。
このなかで、「橋下氏の凋落(ちょうらく)は最終回ではない。結局は日本政府、安倍政権だ。まだ橋下は侵略を明確に認めているが、安倍政権は決して『侵略』という単語を使わない。このままでは第2の橋下、第3の橋下氏が続いて出て来ざるを得ない構造だ」と警戒心を示し、「国際社会がどれだけ冷ややかな目で日本を見ているのかを外から知らせるしかない」と述べています。
根拠示さず 英・ガーディアン
英ガーディアン紙27日付(電子版)は、同日の会見で橋下氏が「米軍に風俗業の活用を勧めたことに謝罪」する一方で、自らの「慰安婦」の見解については「謝らなかった」と報じました。
橋下氏の「『世界各国の軍』が戦時に慰安所が必要だと思っていた」との反論について同紙は、「米、英、仏、独、そしてロシアもまた、戦時中の女性への性虐待の反省が必要だと橋下氏は述べたが、それらの国々が慰安所を管理していた証拠は何も示さなかった」と指摘しました。
後退に拍車 米・ウォール・ストリート・ジャーナル
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル27日付(電子版)は、参院選で投票したい政党を聞いた「日経」の世論調査(27日発表)で、橋下氏が共同代表を務める日本維新の会の支持率が3%にとどまり、4月の調査から6ポイント急落したと紹介。同氏の「『慰安婦』をめぐる発言が後退傾向を後押ししたとみられる」と述べています。
さらに27日の会見で、自身が招いた混乱の責任をとるために共同代表を辞任するかとの問いに、橋下氏が「有権者が私の発言を拒絶するのであれば、維新の会はおそらく敗北を認めるだろう」と表明したことを紹介。「私が代表としてとどまるべきかどうかは、その時党が決定することになる」と述べたと報じました。