2013年5月30日(木)
生活保護 改悪案あす採決狙う
衆院厚労委 高橋議員が追及 “水際作戦”合法化許されない
今でも半数以上が申請できず
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は29日の厚生労働委員会で、生活保護改悪法案の質疑に立ち、申請者を締め出す“水際作戦”の合法化をやめよと追及しました。田村憲久厚労相は「生活保護の本来の趣旨にのっとって運用していく」などと答弁しました。
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法案は▽申請者に書類提出を義務付ける▽「扶養照会」の強化―などが盛り込まれています。
このなかで高橋氏は、いまでも半分以上が申請にたどり着けないのが現実だと言及。申請者の書類提出義務にかかわって、年金受給年齢にも達しない50代の男性に「年金記録を調べてから来い」と言って申請用紙を渡さないなど、窓口で申請をはねつける水際作戦が横行している事例を示しながら、「書類を見ることもできない人は、申請と扱ってもらえない。『水際作戦』の合法化といわれてもやむをえない」と指摘しました。田村厚労相は「あってはいけない。不適当な対応だ」と答弁しました。
高橋氏はまた、必要であれば扶養義務者が「報告」を求められる規定について、家族関係を壊すような扶養義務の強化がおこなわれていると追及し、国会で取り上げただけで申請をためらうケースが出ているとただしました。厚労省の村木厚子社会・援護局長は「家族の問題に立ち入ること、本来保護を受けられる人が受けにくくならないようケースを限定したい」と答えました。
高橋氏は、不正受給の罰則強化や家計管理など、市民同士の監視が強まり萎縮する社会にしてはならないと主張しました。
衆院厚生労働委員会は29日の理事会で、生活保護法改悪案を31日に採決することを決めました。日本共産党の高橋ちづ子議員は、重要な法案を十分な審議もせずに採決することは許されないとして強く反対しました。