2013年5月29日(水)
生活保護改悪 命奪う
全生連・社保協が政府交渉
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安倍・自公政権が生活保護制度の大改悪を狙う中、全国生活と健康を守る会連合会(全生連)と中央社会保障推進協議会(中央社保協)は28日、国会内で保護基準引き下げと就労強要の中止、生活保護法改悪案の撤回を求めて厚生労働省に交渉しました。全国から160人余りが参加しました。
同制度改悪で、▽申請者に書類提出の義務を負わせる▽扶養義務の強化▽保護利用者への就労の強要―などが盛り込まれています。
全生連の安形義弘会長は同省担当者に対し、「生活保護は国民の命に関わる問題だ」と強調し、利用者の実態を見ずにつくった同法案と保護基準引き下げの大臣告示撤回を迫りました。
交渉で、(1)口頭での申請を認める(2)書類の不備を申請受理拒否の理由にしない(3)扶養は要件としない(4)指導・指示は最小限度にとどめる―ことを確認しました。
新潟市から参加した男性(53)は「脳こうそくで倒れて働けず、保護利用を始めた。医者からは冬は体を温め夏は水分補給を十分するように言われているが、電気代、灯油代がかさみいまでもぎりぎりの生活。命にかかわる保護費切り下げはやめて」と訴えました。
車いすで参加した東京都世田谷区の男性は、住宅扶助の引き上げを要求。同省担当者は「住宅扶助の意見はさまざま聞いているので、これから議論を始めるところだ」と回答しました。
交渉に先立ち開かれた集会では、中央社保協を代表して保団連の住江憲勇会長があいさつ。「保護利用者の増加は、低賃金労働と雇用破壊、所得再分配機能の破壊が原因。政治がつくり出したものだ」と指摘。「いまやるべきことは、保護基準の適正化と必要とする人の利用を増やすことだ」と強調しました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が駆けつけ、同制度改悪を阻止する決意を述べました。
同日、全生連と中央社保協は議員要請も行いました。