2013年5月28日(火)
憲法96条改定に反対
各地で広がる弁護士会声明・決議
世論調査でも「支持しない」が上昇
憲法96条が定める、国会による憲法改定の発議要件を現行の両院の3分の2以上から過半数に緩和しようとする自民党、日本維新の会、みんなの党などの動きに対して、各地の弁護士会が反対の会長声明を出すなどの動きが広がっています。報道各社の世論調査でも、反対が賛成を上回っています。
5月に入り、栃木県、長野県、宮崎県、長崎県、北海道・釧路などの弁護士会が、憲法96条の憲法改定発議の要件緩和に反対する会長声明や決議を出しています。
長野県弁護士会の会長声明(16日)は「憲法改正を容易にした上で、その後、憲法第9条を改正して集団的自衛権の容認や国防軍の創設を図り、あるいは国民の権利を制限し過大な義務を負担させようとする意図を有するもの」と批判。発議要件の緩和は「国民の基本的人権の保障及び立憲主義の立場からして、極めて重大な問題を孕(はら)んでおり、到底許されるものではない」と強く批判しています。
長崎県弁護士会の会長声明は「安易な憲法改正を許し、ひいては基本的人権の保障を形骸化させ、国の基本的な在り方を不安定にさせる畏(おそ)れを生じさせるものとして極めて問題」と強く反対を表明しています。
大阪弁護士会などは今週、総会で改憲発議の要件緩和に反対する議案を審議する予定です。憲法を守る新潟県共同センターが3日に新潟市で開いた集いで、来賓の県弁護士会の味岡申宰会長は「平和主義と基本的人権を掲げる日本国憲法の改定に県弁護士会は反対です」とあいさつしました。
日本弁護士連合会は3月14日に、「強く反対する」との意見書を発表しています。5月23日には、「九条の会」呼びかけ人の奥平康弘氏や憲法学者の樋口陽一氏ら著名な研究者39氏が発起人に名を連ねて、96条改憲への反対を呼びかける「96条の会」の発足が発表されました。
「日経」報道によれば、同社の世論調査で、「96条が定める改憲発議の要件緩和に関しては『反対』が41%で、34%の『賛成』を上回った」(27日付)といいます。27日のテレビ朝日報道によれば、憲法96条の改定について、「支持しない」が前月調査から9ポイント上昇して43%となり、「支持する」の38%を逆転しました。