2013年5月23日(木)
菅官房長官、河野談話継承明言せず
赤嶺氏 「歴史ゆがめるな」
衆院内閣委
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日本共産党の赤嶺政賢議員は22日の衆院内閣委員会で、旧日本軍「慰安婦」問題を取り上げ、河野官房長官談話(1993年)が認めた軍の関与と強制性を安倍内閣は認めるのかと追及しました。
菅義偉官房長官は「心が痛むという点では歴代内閣と変わらない」と述べるだけで、軍の関与と強制性について一切言及せず、談話の骨抜きを狙う姿勢を隠しませんでした。
赤嶺氏は、第1次安倍内閣が2007年に閣議決定した答弁書が「(河野)談話を継承」としていることをあげ、「立場を変更したのか」と追及しました。
菅氏が「閣議決定を変更するつもりはない」と述べるにとどまったため、赤嶺氏は談話では慰安所の設置・管理、「慰安婦」の移送・募集に軍が関与した事実を認めていると追及。しかし、菅氏は「(07年の)閣議決定が全てだ」と繰り返すだけで、核心部分について一切の答弁を避けました。赤嶺氏は「『軍の関与はあった』と答弁するのが当然であり、談話の中身に一切触れない姿勢では国民の理解を得られない」と批判しました。
さらに赤嶺氏は、07年の答弁書で「強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」としている問題を追及。第1次安倍内閣による「河野談話までに政府が発見した資料」の中には、日本軍によるオランダ人女性の強制連行を示す「バタビア臨時軍法会議の記録」が含まれていると指摘しましたが、菅氏は「答弁書に書いてあることが全てだ」と事実関係の確認さえ拒否しました。赤嶺氏は「沖縄では軍により慰安所が多数設置され、そこでの痛ましい生活の目撃者も多数いる。歴史認識をゆがめることは絶対に許されない」と強調しました。