2013年5月22日(水)
松蔭学園争議 全面解決
たたかいのなか子育て・同僚も続く
4女性教員 不屈の団結
私立松蔭(しょういん)学園(東京都世田谷区)の賃金差別など未解決だった不当労働行為で、和解が成立しました。これで、4人の女性教員が労働組合を結成して以来、33年間におよんだ争議はすべて解決。解雇や隔離にも屈せずに職場復帰し、退職後も団結してたたかい抜きました。(酒井慎太郎)
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今回、2003年度以降の賃金・退職金差別の是正などを求めた争議が3月末、東京地裁で和解しました。
松蔭学園教職員組合(東京私教連加盟)は1980年、約40人の職場で4人の女性教員が結成。教職員はほぼ女性でしたが、出産・子育てをしながら働き続けることは困難でした。毎年10人前後も辞めていました。
寺島やえさん(67)は初めて2度の産休を取ったことを口実に、80年以降、授業や担任など一切の仕事を取り上げられました。2年後には物置部屋に隔離され、さらに4年後には自宅待機を命じられました。
委員長の森弘子さん(61)は81年に解雇されました。当時29歳、妊娠6カ月でした。
矢口由紀子さん(65)と西村恵子さん(56)は担任を外されました。低賃金に抑え込まれ、西村さんの勤続10年目の月給は1年目の新人を50円上回るだけでした。
裁判所、労働委員会の計15回の判決や命令はすべて不当労働行為・違法と認定。寺島さんは95年、森さんは96年に職場復帰を果たしました。
労組結成の当時、組合員4人のうち、既婚者は2人。たたかいのなか、4人とも子どもを育てました。同僚も続きました。
全面解決し、森さんは「多くの人の応援と力を借りて、決着できました。本当によかった」と喜びました。
31日に報告集会
報告集会は31日(金)午後6時30分から、都内のエデュカス東京(全国教育文化会館)で開かれます。