2013年5月22日(水)
成年被後見人 選挙権回復へ
共産党、制度導入時から主張
公選法改正案が衆院可決
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成年後見人がついた人たちの選挙権を回復する公職選挙法改正案が21日の衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送られました。改正案は、成年被後見人は選挙権・被選挙権を失うとした規定を削除。「代理投票」をする補助者については、選挙管理委員会や市町村職員など「投票所の事務に従事する者」からあてるとしています。日本共産党をはじめ衆院全会派が共同して提出したものです。
本会議に先立つ同日の衆院倫理・選挙特別委員会で質疑にたった日本共産党の佐々木憲昭議員は、改正案について「選挙権・参政権は国民の基本的権利であり、すべての国民に等しく保障しなければならない。欠格条項の削除は当然だ」と主張。
改正案の共同提出者で、答弁に立った日本共産党の塩川鉄也議員は、日本共産党が1999年の成年後見人制度導入の審議時から「財産保護のための成年後見人制度と、国民の基本的権利である選挙権は全く関係ない。国民に対して選挙権をはく奪する理由はない」と主張してきたことを示しました。さらに塩川氏は、「選挙権は国民が主権者として政治に参加する機会を保障するものであり、議会制民主主義の根幹をなす。夏の参院選から成年被後見人の選挙権回復を実現するためにも、早期成立が必要だ」と述べました。
成年被後見人の選挙権のはく奪をめぐっては、茨城県の名児耶(なごや)匠(たくみ)さんの訴えに東京地裁が3月に「違憲」判決を出し、法改正が論議されていました。日本共産党の井上哲士参院議員はこの事案を国会で取り上げ、改正を迫ってきました。
成年後見人制度 認知症や知的障害、精神障害を理由に判断能力が不十分な人を保護、支援する目的で導入された制度。「後見」を受けると公職選挙法の規定によって選挙権を失うため、法改正を求める声が高まっていました。