2013年5月17日(金)
“0.5%の富豪が富の35%独占”
IMF専務理事
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は15日、ワシントン市内で講演し、世界の格差と貧困が深刻化していることに懸念を表明しました。
ラガルド氏は「貧困削減のための安定と成長」をテーマにした発言のなかで、中東の民主化運動「アラブの春」や米国の「占拠」(オキュパイ)運動が起きた理由の一つとして、格差拡大への民衆の不満があると強調。世界の人口の0・5%にすぎない富豪が富の35%を独占していることや、米国では、この25年間で所得上位1%の富裕層が得た税引き前所得が国民全体の8%から18%に増加したことを例に挙げました。
また世界中で13億人の人々が1日1・25ドル(128円)以下、20億人が1日2ドル以下で暮らしている実態も紹介し、経済成長と公平性はお互いを補強するものであり、経済の安定性確保にとって貧困の減少は不可欠であるとの見解を述べました。