2013年5月12日(日)
司法独立性問われる
井上議員 伊達判決破棄で追及
参院法務委
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日本共産党の井上哲士議員は9日の参院法務委員会で、米軍の駐留を違憲とした1959年の東京地裁判決(伊達判決)を最高裁が破棄した際に、最高裁長官が米側と相談を繰り返していたことを明らかにした米政府解禁文書の新資料も示しながら、司法の独立性が問われる今日的問題だと追及しました。
文書は当時のマッカーサー米駐日大使が本国に宛てた電報等。井上氏は、田中耕太郎最高裁長官が裁判の見通しや期日を事前に米側に伝えていた文書をあげ、「米国は利害関係者であり、『評議の秘密』を侵すものだ」と指摘。最高裁の戸倉三郎総務局長は「一方の便宜を図るかたちで期日を伝えることは裁判の公正さに疑義を生じうる」と述べました。
新資料は、田中長官が審理期日を指定する前に「9月からの3週間で終える」と米側に伝えていたことを示しています。谷垣禎一法相は、59年9月7〜18日の6回の審理で最高裁が結審したと答弁。井上氏は「公判戦略も日程も米側に約束したとおりに行われた」と強調しました。
新資料は、田中長官が「評議は全員一致を生み出」すやり方を願っていると伝えたことも示しており、長官は判決後の会見で「全員一致(の判決)は大変喜ばしい」と述べています。戸倉局長は「裁判官が担当事件の会見やコメントをした例は承知しない」と答弁。
井上氏は「裁判官の独立を侵すもので、最初から最後まで異例ずくめの裁判だ」と批判。司法文書を全面的に調査するよう求めました。戸倉局長は「十分な調査を行った上できちんと対応していきたい」と答えました。