2013年5月11日(土)
「慰安婦」問題 「新資料発見の可能性」
紙議員に政府答弁書
安倍内閣は10日までに、「慰安婦」問題で日本軍による関与と強制性を示す証拠があることを指摘した日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書に対して、「新しい資料が発見される可能性はある」とする答弁書(7日付)を出しました。紙氏が指摘した証拠については「内閣官房で保管していない」と答弁を避けながらも否定できない内容となっています。
紙氏は、安倍内閣は「強制連行を示す証拠はなかった」としているが、東京裁判(極東国際軍事裁判)の文書に証拠があると指摘。中国人被害女性の証言や旧日本陸軍中尉の陳述書などで軍の直接関与と女性に対する強制や脅迫が記されていることをあげ、戦争犯罪の事実を受け止めるべきだと求めました。
答弁書では、文書に対する評価については答えず、軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」までに文書を承知していたかどうかについても不明だとして答弁を避けています。河野官房長官談話については、関係資料の調査や関係者の聞き取りを行い、「全体として判断した結果」だとし、否定する姿勢を示してはいません。
証拠の真実性恐れている
紙智子議員の話 安倍内閣が答弁を回避していることは、指摘された文書の真実性を認めることをいかに恐れているかを示しています。同時に、文書を否定することができなかったことは重要です。
答弁書によって、内閣官房が問題の文書を保管していないことが明らかとなりました。
この文書はもちろん軍の関与と強制性を示す他の数々の歴史的文書を今後も提示することによって、政府に関与と強制性を認めさせ、謝罪と補償につなげていく足がかりにしていきたいと思います。