2013年5月10日(金)

衆院憲法審査会９６条改定批判相次ぐ

笠井氏「憲法の精神否定に」

　衆院憲法審査会は９日、憲法改正要件を定めた９６条について検証を行いました。日本共産党の笠井亮議員は「９６条改定は憲法の根本精神を否定するものだ。狙いは９条改憲にある」と批判し、「断固反対」と表明しました。自民、維新以外の改憲を主張している政党からも９６条の先行改定に対して反対や慎重にとの意見が相次ぎました。

　笠井氏は、国民が国家権力を縛るというのが憲法であり、改定の要件も「ときの権力者に都合のいいように、憲法をころころと改変することが難しくされている｣と強調｡９６条改定は｢憲法が憲法でなくなる『禁じ手』だ」と批判しました。

　民主の武正公一氏は「９６条のみの憲法改正には慎重な立場だ」と表明。「憲法の中身の議論が欠かせない」と述べました。

　公明の斉藤鉄夫氏は「改正手続きの変更は内容とともに議論すべき」と述べ、「先行改正論には慎重であるべきだ」と発言。生活の鈴木克昌氏も「改正の中身についての検討が先行すべき｣と反対を表明しました｡

　みんなの畠中光成氏は「統治機構改革を同時に進める意思と約束がなければ、９６条改正においそれと賛同することはできかねる」と述べました。

　一方、自民の船田元氏は｢わが国の(改憲)発議要件はハードルが高過ぎる」、維新の坂本祐之輔氏も「憲法について国民に判断を仰ぐことは困難｣と述べ､要件引き下げを主張しました。

　これに対し、笠井氏は一般の法律より厳しい規定を設けているのは諸外国に共通していることであり、先駆的内容をもつ憲法だから改憲する必要がなかったと強調しました。

　（笠井氏意見表明）