2013年5月9日(木)
女性差別撤廃3署名を提出
「女性手帳」は中止を
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新日本婦人の会(新婦人)は8日、女性差別撤廃条約にもとづいた政府のとりくみをすすめるための三つの請願署名の提出集会を、衆院議員会館内で開きました。笠井貴美代会長をはじめ、東京、千葉、神奈川の代表らが全国から寄せられた6万8380人分の署名を、日本共産党の塩川鉄也、宮本岳志両衆院議員に手渡しました。
三つの署名は、女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める請願、民法改正を求める請願、「戦時慰安婦」問題の最終解決を求める請願です。
笠井会長は集会あいさつで、安倍内閣がねらった「慰安婦」問題を謝罪した河野談話見直しの動きに国際的な批判が広がり封印したことを指摘。政府が検討している「女性手帳」の導入中止を要請したことを報告しました。笠井会長は、「いつ何人子どもを産むか産まないかを決めるのは国際的に合意された女性の重要な権利であり、科学的な性教育こそ必要」として中止を求め、国際的に遅れている女性差別の解消こそ求められると訴えました。
真の少子化対策ぜひ
政府に要請文
安倍内閣が「骨太の方針」の少子化対策重点対策として導入を検討する「女性手帳」について、新日本婦人の会は8日、検討の中止を求める笠井貴美代会長名の要請文を安倍首相あてに送りました。
「女性手帳」は、10代からの身体のメカニズムや将来設計について啓発し、「晩婚・晩産」に歯止めをかけることをねらい、女性を対象に一斉に配布するというものです。
要請文では、安倍首相が、少子化を深刻にしてきた自らの責任は一切ふれず、若い世代が産みたくても産めない現実から目をそらしていると批判。少子化対策というなら、賃上げや正規雇用化、認可保育所の緊急増設、男女とも取得しやすい育休や労働時間規制などやるべき施策はたくさんあると指摘します。
また、「女性手帳」は、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」から見ても大きな問題があると強調。いつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶのは個人の自由であり、女性の自己決定権として重要な権利であるとしています。
国際的にも恥ずかしく、税金の無駄遣いともなる「手帳」導入の検討をただちに中止し、男女とも人間らしく仕事も子育ても両立できる真の少子化対策を強く求めています。
女性差別撤廃条約選択議定書 女性差別撤廃条約を批准した国の個人または集団が条約に定める権利が侵害されたとして国連の女性差別撤廃委員会に対し、直接申し立てができるもの。1999年の国連総会で採択され、104カ国が批准しています。