2013年5月9日(木)
米軍機低空飛行 塩川議員質問に反響
記録より2倍以上の訓練、新たな事実に驚きと怒り
島根県の米軍機低空飛行問題をとりあげた日本共産党の塩川鉄也衆院議員の国会質問(4月15日)が、地元で反響をよんでいます。 (島根県 桑原保夫)
島根
党島根県委員会は、塩川議員の質問速記録を取り寄せ、関係者に郵送しています。ある女性は「私の訴えた中身がよく伝わる質問でした」との声を寄せています。
住民の声を現地で聞き取り、自治体ぐるみの取り組みを真正面から取り上げている日本共産党議員の姿勢に、共感が広がっています。
建物を攻撃対象のように旋回や急上昇を繰り返す米軍機に、恐怖を感じていた江津(ごうつ)市桜江町の温泉リゾート施設「風の国」の佐々木さとみさんは「国会議員が現地に足を運び、訴えに耳を傾けてくれたのは初めて。今後も私らの声を国会に届けてくださることを期待します」と話します。さらに、岸田文雄外務大臣の答弁には「がっかりしました。アメリカでは行われていないのに…。私らは国民ではないのかと思いたくなる。情けない」と批判します。
地元で長年、米軍機の横暴を告発してきた住民団体からも、答弁で出た新たな事実に驚きと怒りの声が上がっています。
米軍の低空・戦闘訓練飛行の即時中止を求める益田地域連絡会の中村照事務局長は「塩川議員の質問で、私の監視記録と比べて、実際には2倍以上の飛行訓練がされていたことがわかり驚いています。雫石(岩手県)の民間機と自衛隊機の衝突事故以来、自衛隊機は地上の訓練空域から撤退しているのに、米軍機だけが横暴な飛行を続けているのは許せない」と、訓練中止とともに、今後は訓練空域そのものの撤廃を求める運動が大切と感じたといいます。
邑南(おおなん)町の米軍機の低空飛行と、飛行騒音の即時中止を求める島根石東連絡会の井上義信事務局長は「訓練目的が米軍の機密保護のため明らかにされていないが、実態は日本を守るのではなく、アメリカの世界戦略の中で殴り込み部隊の戦力保持のため毎日訓練をしていることが質問からうかがえる」とのべます。
県西部上空には自衛隊の低高度・高高度訓練空域(米軍名、エリア567)が存在し、米軍岩国基地進入管制空域とも重なっています。高高度訓練空域と低高度訓練空域が重なる地域では米軍機の激しい訓練が行われ、住民は墜落の不安とごう音の被害に悲鳴をあげています。
塩川議員は衆院予算委員会分科会で、浜田市のあさひ子ども園では子どもがごう音に恐怖のあまり泣きだしたり、お昼寝ができず保育に支障が出ていること、県が独自に9カ所に騒音測定器を設置し客観的なデータ把握に努めていることを指摘。「国に動いてほしいという趣旨で行われている。こういう米軍機の被害について実態調査をぜひやっていただきたい」と迫りました。
さらに、「好き勝手に飛んでいることに、待ったをかけることこそ日本政府の代表として行うべきことだ」と強調し、訓練飛行の中止と空域設定そのものの撤廃を求めました。