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2013年5月6日(月)

きょうの潮流

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 例えていうなら、食中毒事故を起こした飲食店の店主が、いまだ事故の後始末もついていないのに、自家製食品を訪問販売するようなものです▼「日本の最高水準の技術に強い関心が寄せられた」。中東諸国を歴訪した安倍晋三首相はこう豪語し、福島原発事故以降では初の原子力協定をアラブ首長国連邦、トルコと交わしました。三菱重工がトルコでの原発建設に向けて「排他的交渉権」を得たといいます▼背景には、原発メーカーの“苦境”があります。欧米では原発の減少傾向が続き、日本でも新増設は困難な状況です。電力需要が高まるアジア・中東への売り込みは、メーカーの生き残り戦略なのです▼首相はこうも言いました。「苛酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献するのは日本の責務だ」。福島の事故を経験したからこそ、原発を輸出する―。白を黒といいくるめ、何が何でも原発を売ろうという考えです▼「苛酷な事故の経験と教訓を世界と共有」するというのなら、やるべきことは、福島の現実を伝えることです。15万人もの人々がふるさとを奪われ、今なお避難生活を余儀なくされています。福島第1原発では、ネズミ1匹の感電でショートして電力供給が停止するという、ズサンな実態もありました▼増え続ける汚染水の問題は、出口が見えていません。東京電力が海洋放出に踏み切れば、国際問題となります。放射能を垂れ流しながら、一方で原発を海外に売る。こんな事態があっていいものか。


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