2013年5月1日(水)
レッド・パージ国賠訴訟
最高裁が上告棄却
原告ら 「救済までたたかう」
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レッド・パージ被害の名誉救済などを求めた国家賠償請求訴訟で、原告と弁護団は30日、神戸市内で記者会見し、最高裁第1小法廷が上告棄却・上告不受理の不当決定(25日)を下したことにたいし、抗議声明を発表しました。
原告は神戸市に在住する大橋豊さん(83)、川崎義啓さん(96)、安原清次郎さん(92)です。
会見で、弁護団の小牧英夫弁護士は「憲法に照らして許されるかという根本を避けた幕引き。絶対に許されない」と強調しました。大橋さんは「“憲法はお休み”という決定だ。名誉救済へ、これからもがんばってたたかう」と語りました。
レッド・パージは、1949年から50年にかけて、アメリカ占領軍の示唆のもと日本政府と財界の意思で日本共産党員や労働組合の活動家を全国各地の職場から追放した、戦後最大の人権侵害事件です。今回の訴訟でも講和条約発効後、政府に人権侵害を救済する義務があったにもかかわらず、放置した不作為の違法性などが問われました。
抗議声明は、最高裁の結論について、長年苦しんできた原告の「生きているうちに救済を」という願いを無視した「非道な決定」と指摘。「立場を超えて、思想信条の自由、結社の自由の保障の確立を願う多くの人たちと連帯して、名誉回復と救済を勝ち取るまでたたかう」と決意を表明しています。
市田書記局長が抗議談話
日本共産党の市田忠義書記局長は30日、レッド・パージ国賠訴訟で最高裁が上告を棄却したことにたいする談話を発表しました。
最高裁第1小法廷は25日付で、レッド・パージ被害者の名誉回復と国家賠償を求めた上告を認めない決定を下した。これは、日弁連も「レッド・パージにより解雇された者らの人権救済を図ることは極めて重要な意義がある」とした憲法問題を、審理さえ行わず門前払いにするきわめて不当なものである。
共産党員もしくはその支持者であることのみを唯一の理由として解雇・免職されたレッド・パージは、思想・良心の自由(憲法19条)を踏みにじる深刻な人権侵害である。米軍占領下でこのような重大な人権侵害を行いながら、講和条約発効後も放置してきた政府には被害者を救済する義務がある。
日本共産党は、レッド・パージ被害者の名誉回復と国家賠償の要求の実現のためにひきつづき奮闘するとともに、基本的人権の擁護とそれが守られる社会の実現をめざしてたたかうものである。