2013年4月30日(火)
詰め込みは不安です
保育所面積基準引き下げ
全保連が現場検証をしたら…
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認可保育所に入れない待機児童問題が大都市圏で深刻化するなか、基準を緩和して解消しようという動きが強まっています。政府の子ども・子育て会議では、新制度に向け面積や人員基準の検討が始まりました。
面積基準が引き下げられたら、保育は一体どうなるのか―。全国保育団体連絡会(全保連)は28日、東京都杉並区の阿佐谷保育園で、現場検証をおこないました。
保育室面積の最低基準は、子ども1人あたり0、1歳児が3・3平方メートル以上、2歳児が1・98メートル以上です。2歳児は最低基準のまま、0、1歳児は3段階の基準を設定して検証しました。
0、1歳児2・5平方メートルという低い基準では、45平方メートルの保育室に子ども19人、保育士5人。昼寝用の布団を敷く場面では、スペース確保のために子どもと保育士の居場所は窮屈になり、布団敷きに手をとられて子どもに目が行き届かない状況も生まれました。同園の新妻寛美園長は「子どもの成長や発達という以前に、どう事故を防ぐかということばかり考えてしまった」と振り返ります。
認可保育園に入れない問題で、行政不服審査法に基づく異議申し立てをすすめてきた「保育園ふやし隊@杉並」代表の曽山恵理子さんは、「今の最低基準でも狭い。さらに子どもたちを詰め込んでの待機児童解消は、私たちの望むところではない」と語りました。
自民党さいたま市議団による面積基準引き下げの条例改定案に反対する、「赤ちゃんの急死を考える会」の阿部一美さんは、「安全な環境に預けたいから、認可保育所の増設を求めている。数と質をセットで考えてほしい」と訴えました。