2013年4月27日(土)
地域医療再生こそ
復興特委 高橋議員が主張
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日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は25日の復興特別委員会で、「東北メディカル・メガバンク」計画を取り上げ、「ショック・ドクトリン(惨事便乗型)」ではないかと指摘するとともに、「いまやるべきは地域医療の再生に人とお金を使うことだ」と強調しました。
同計画は、東北大学を中心に岩手・宮城の被災者15万人の健康調査とゲノム(全遺伝情報)などの情報を集めた「バイオバンク」をつくり、次世代医療や創薬の研究開発を推進するものです。
高橋氏が「被災者の健康不安に応えることと遺伝子研究をリンクさせる必要はない」とただしたのに対し、文科省の吉田大輔研究振興局長は、「被災地住民の健康不安を解消することも目的の大きな要素」などと答弁。
高橋氏は、計画では得られた情報を「民間、国内外へ広く配分する」として、本人が1回同意すれば将来、データをさまざまに活用するとしていることに言及しました。同局長は、創薬メーカーなどへの提供が検討されていることを認めました。
そのうえで、「不利な立場またはぜい弱な人々あるいは地域社会を対象とする医学研究は…集団または地域が研究結果から利益を得る可能性がある場合に限り正当化される」という「ヘルシンキ宣言」の一節を引用し、まさに被災地のことではないかと指摘。岩手県で20、宮城県で81の医療機関が廃止している実態をあげて、いまやるべきことは地域医療の再生だと強調しました。