2013年4月25日(木)
敦賀原発の直下 “活断層の可能性”変えず
規制委チーム 次回会合で評価書まとめ
日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)敷地内の破砕帯(断層)について「活断層の可能性が高い」とする評価書案を示している、原子力規制委員会の専門家チームは24日、日本原電から聞き取りをしました。同チームは、2号機直下を走る破砕帯が「活断層の可能性が高く、直上の重要な施設に影響を与える可能性がある」とする「基本的な考え方」を改めて提示。規制委の島崎邦彦委員長代理は、早ければ5月中にも開かれる次回会合で評価書をとりまとめるとしました。「活断層の可能性が高い」とする結論は変わらないとみられます。
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調査チームによる同原発の評価書案は1月28日にまとめられ、先月8日には調査チーム以外の専門家に意見を聞く会合も開かれ、「活断層の可能性が高い」とする評価書案の結論に異論は出ませんでした。
問題の破砕帯は2号機原子炉直下を走るD―1破砕帯です。
今回の「基本的な考え方」は、調査のために掘削されたトレンチ(溝)内で見つかった「K断層」などが現行指針で活断層とみなされている後期更新世(12万〜13万年前)以降の活動を否定することは困難と指摘。K断層は将来活動する断層とされ、D―1破砕帯も同一の構造としています。同案は「(D―1断層は)活断層である可能性が高く、至近距離にある浦底断層と同時に活動し、直上の重要な施設に影響を与える恐れがある」と結論づけています。
日本原電は、K断層がD―1破砕帯と一連の構造ではない、火山灰の分析などからD―1破砕帯は最近活動していないとする調査結果を説明。専門家からは「解析手法が立ち遅れている」「一つの調査地点で断層の活動時期を判断できないのは常識だ」「火山灰の分析は信頼性が低い」など日本原電の調査や解釈に疑問の声が相次ぎました。
島崎氏は「K断層も浦底断層も動いているという重い事実がある。これは変えようがなく、あらがいようがないのではないか」と指摘しました。
また、会合が活断層にかかわる科学的・技術的な議論の場でありながら、日本原電は「立証責任が事業者にあるという規制委の考え方は適切でない」と主張したほか、「(活断層の判断は)発電所の運転を継続できるかどうかの重要な問題だ」など、経営問題まで持ち出し、なりふり構わない議論をしていました。