2013年4月23日(火)
12年ぶり 被災地で議席回復
林崎氏が当選
国保税上げ中止要請に共感
岩手・岩泉町
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東日本大震災津波の被災地、岩手県岩泉町の町議選(定数15=1減、立候補17人)が21日投開票され、日本共産党の林崎竟次郎(きょうじろう)氏(63)=新=が、312票を獲得して14位で当選し、12年間空白だった党の議席を回復しました。
林崎氏は、▽3月議会が全会一致で決定した国保税値上げ(1世帯平均約1万3000円)の中止▽住宅再建での約7億円の基金を使った支援策の具体化▽TPP断固阻止、消費税増税反対を公約に掲げ、昨年末の衆院比例票の1・5倍の票を勝ち取りました。
岩泉町は西は盛岡市に接し、東は三陸沿岸までの広大な町です。党岩泉支部は12年前の町議選で、勇退する現職議員から新人候補への交代に失敗。8年前も同じ新人候補を立ててたたかいましたが、議席を得られず、4年前は候補者を擁立できませんでした。
告示2カ月前に
支部は今回、「参院選に勝利したい。その前の町議選を見送っていいのか」「町民の生活が苦しいのに、町は3月議会で国保税値上げを提案する。やめさせるには党の議員が必要だ」と真剣に議論。支部長の林崎氏が立候補を正式表明したのは告示2カ月前でした。
林崎氏は連日の朝宣伝とともに、町民の苦難軽減のために奮闘。国保問題で町長に申し入れをし、「町には2億3000万円もの国保基金があり、値上げは町民の理解を得られない。見直しすべきだ」と迫り、「状況が変われば引き下げも考える」と回答した結果を「民報」で知らせ、大きな反響を呼びました。
被災者の声受け
仮設住宅で開催した「つどい」で、「災害公営住宅入居時に敷金3カ月分が徴収されるのは困る」との声を受け、副町長に撤回を要請し、実現させました。
津波で自宅を全壊した被災者が、これを知って感激。「地元の現職は何もしてないが、共産党の新人は結果を出した。それを考えてほしい」と知人など30人に対話を広げました。
約500人に組織した後援会員へのニュース配布や、党員の結びつきを生かした支持拡大の努力と同時に、岩泉町に縁のある町外の党員からの電話かけなど、党宮古地区委員会と党県委員会あげての取り組みも大激戦を制する力になりました。