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2013年4月23日(火)

きょうの潮流

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 コンピューター将棋の試みは、40年ほど前から始まったそうです。人工知能の研究者らによって開発されますが、当初はとても弱かった。しかし90年代に技術が進み、この10年で急速に実力をつけてきました▼棋士との対戦で話題になったのは昨年。将棋連盟の故米長邦雄会長との対局でした。第1回電王戦と名付けられ、インターネットで生中継。注目を集めた一大イベントはコンピューター側が勝利を収めました▼そして、今年。現役のトップ棋士が出場した対抗戦で1勝3敗1分け。完敗に近い結果に「これほど強いとは…」と、将棋界に衝撃が走りました。もともと優れていた終盤の読みに、序盤や中盤でも人間と同じように局面を俯瞰(ふかん)する能力がついてきました▼人間が機械に負けたとなると、気持ちは複雑です。しかし、チェスでは16年も前に世界チャンピオンが敗北しています。今回の対戦でA級棋士を破った将棋ソフトは約680台のコンピューターをつなげ、1秒間に2億8000万手も読めるそうです▼プロ棋士たちはコンピューター将棋のとりくみを誕生期から支えてきました。いまの力量も、その協力があればこそ。いわばコンピューターとの共存共栄です▼たしかに悔しさはあるはず。しかし、さすがに大局観のある人たちです。苦杯のなかでも、将棋の無限の可能性を感じたと喜びます。谷川浩司現会長は「互いに切磋琢磨(せっさたくま)していけばいい」。勝ち負けよりも、人間の知性をさらに磨く糧にしたいということでしょう。


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