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2013年4月23日(火)

群馬・中国山地の自衛隊空域

爆音 わがもの顔

米軍が管制 米軍機のみ訓練

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 中国山地に広がる自衛隊空域で年間約200日もの訓練を通告するなど、米軍機が日本全国の自衛隊空域を我が物顔で使用していた―。防衛省が日本共産党の井上哲士参院議員に提出した資料で示された実態(本紙13日付既報)に、「これほど多くの訓練通告を受けても日本側はまったくもの申さなかったのだろうか」(中国新聞16日付)など、驚きと憤りの声が広がっています。


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(地図)@高高度空域「エリアQ」A低高度空域「エリア7」B米軍岩国基地進入管制空域

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(地図)@高高度空域「エリアH」A低高度空域「エリア3」B米軍横田基地進入管制空域

 その理由は、中国山地と群馬県上空には米軍の訓練空域が存在しないのに、米軍戦闘機の訓練による爆音被害が拡大しているからです。群馬県によれば、米軍機の騒音・飛行に関する苦情件数が、昨年度は1026件。前年度の600件から倍近くになっています。島根県でも爆音被害が急増し、県内7市町の苦情件数は昨年、過去最多の562件・143日に達しています。

 日本共産党の塩川鉄也議員は15日の衆院予算委分科会で、二つの空域には(1)自衛隊の高高度・低高度訓練空域(2)米軍の進入管制空域―が重なっているという構造的な共通点を明らかにしました。

 自衛隊の訓練区域のうち、高高度空域と低高度空域が重なっているのは中国山地(エリアQ、7)と群馬県(エリアH、3)上空だけです。加えて、大部分が米軍の進入管制空域に入っています。(地図)

 つまり、これらの空域は米軍の管制下にあり、地表から上空7000メートルまでの範囲で訓練を行うことが可能なのです。前出の防衛省提出資料を見ても、中国山地と群馬県での低高度空域と高高度空域の訓練通告日はほぼ、重なっています。

 塩川議員は、「米軍の進入管制空域で、その中に高高度と低高度の訓練空域が2階建てになっている部分で米軍の訓練が集中している」と指摘しました。

 しかも、防衛省の佐藤正久政務官は、中国山地と群馬県上空について、「現在、自衛隊戦闘機は訓練で使っていない」ことを明らかにしたのです。

 塩川議員は、「1971年の岩手県雫石(しずくいし)町上空での自衛隊機と民間航空機との衝突事故を契機に、自衛隊の多くの訓練は海上に出て行った。それなのに米軍だけが(陸上の群馬県・中国山地に)残って訓練している」と批判しました。

 米軍は米本土では低空飛行訓練など、危険な訓練を住宅地上空で行っていないことは日本政府も繰り返し認めています。それにも関わらず、自衛隊空域を事実上、明け渡して横暴な訓練を認めているのです。日本の主権が問われています。


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