2013年4月23日(火)
天皇の政治利用問題
志位委員長の会見
日本共産党の志位和夫委員長は、22日の会見で、「主権回復の日」式典への天皇の出席問題について、記者団に問われ、次のように答えました。
――天皇が仮に(式典に)出席しなかった場合には、安倍政権の責任ということになりますか。
志位 その場合には、責任はあげて安倍政権が負うことになります。
憲法が定めている「国事行為」については、天皇の意思が介在する余地はありません。天皇の意思によってこれを行うこともできませんし、これを行うことを拒否することもできません。すべては「内閣の助言と承認」によって行われます。
私たちは、それ以外のいわゆる「公的行為」について、「国政に関する権能を有しない」という憲法の規定に反するものでなければ、一概に反対するものではありません。たとえば、天皇が大震災の被災地を訪問したり、追悼式典に参加することなどを、否定するものではありません。
ただ、今回の式典のような、明らかな特定の政治的意図をもったもの、国民のなかで意見が分かれるようなものについて、天皇の出席を求めることは認められるものではありません。
仮に天皇の側が「式典に参加しない」という判断をした場合には、憲法第4条の「国政に関する権能を有しない」、憲法第1条の国民主権にもとづく「国民統合の象徴」、憲法第99条に規定されている天皇の憲法遵守義務にかなった判断として、当然の判断ということになります。
天皇が仮に出席しなかった場合には、その責任はあげて、憲法に反する行為を天皇に行わせようとした安倍内閣が負うことになります。
――安倍内閣が行おうとしていることは、天皇を傷つけることになるということでしょうか。
志位 憲法上、天皇は、国民主権にもとづく「国民統合の象徴」とされています。その天皇に国民世論が割れている行為を行わせたり、政治利用をはかることは、「国民統合の象徴」としての天皇の立場を損なうことになります。
「天皇を政治利用するな」「天皇を巻き込むな」という声が、国民のなかで起こっていますが、これは当然の声だと思います。