2013年4月19日(金)
自衛隊空域に米軍機
塩川氏「訓練実態調査を」
衆院予算委
|
日本共産党の塩川鉄也議員は15日の衆院予算委員会分科会で、近年騒音被害が急増している島根、広島、山口県境上空と群馬県上空の二つの自衛隊訓練空域で繰り返されている米軍機飛行訓練を中止するよう求めました。
塩川氏は、群馬県では県立高校入試日まで訓練が行われており、年間1000件(県集計、2012年度)を超える苦情が寄せられていると紹介。島根県浜田市の子ども園では園児が爆音におびえ泣き叫ぶなど深刻な実態も示し、国の実態調査を求めました。岸田文雄外相は「大変な問題と認識している。提案として受け止め、防衛省とも連携して適切に対応していきたい」と答えました。
佐藤正久防衛政務官は、この2空域が本土の陸上部分で唯一、自衛隊の高高度訓練空域と低高度訓練空域が重なる場所で、現在、自衛隊戦闘機は訓練で使っていないと答弁。国交省の重田雅史交通管制部長は、2空域が米軍横田、岩国の各基地の進入管制空域内にあると答えました。
塩川氏は、低高度と高高度の空域の一体的な使用で地表面から高度約7000メートルまで訓練できる仕組みになっていると指摘。航空路誌(AIP)にもとづく米軍との事前調整で得た飛行情報を自治体に通報する考えはないかと質問したのに対し、佐藤政務官は「米軍の運用に関する情報で、公表は差し控える」と拒否しました。
塩川氏は「自衛隊訓練空域での米軍機の訓練は空の交通整理の仕組みに沿うものでしかなく、その下で暮らす住民の安全確保策は何もない。空域そのものを撤廃すべきだ」と強調しました。