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2013年4月18日(木)

防衛省幹部天下り89人

三菱重工・東芝など軍需企業に

受注額トップに最多の7人

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 三菱重工業、東芝、IHIなど、防衛省と契約関係のある営利企業に対し、2012年の1年間に防衛相が承認した同省からの幹部自衛官の天下りが89人にのぼることがわかりました。幕僚長らの承認による天下りは598人で、あわせて687人、前年より58人も増えており、軍需企業との癒着の深さを改めて浮き彫りにしました。 (藤沢忠明)


 防衛省が5日、国会に提出した「営利企業への就職の承認に関する報告」によると、防衛相が承認した89人のうち、最多の7人を受け入れたのは、三菱重工業と東芝。ともに、防衛省からの受注実績上位の常連企業です。(表参照)

 11年度の受注額が2888億円とトップの三菱重工には、火箱芳文陸上幕僚長、安部隆志陸自補給統制本部長、米沢敬一西部航空方面隊副司令官の3人が顧問に就任。安部氏に「補給統制本部長としての知識・経験を生かした陸自装備品(誘導機器など)にかかわる研究開発、補給・整備に関する運用的側面からの指導・助言」(「報告」)を期待するなど露骨です。

 通信機器、電波機器などの契約が多い東芝には、「各種情報通信システムの研究開発、改善などに関する技術的な指導・助言」(同)を期待して時津憲彦陸自通信学校長が顧問に就任。福田敏陸自東北補給処長、小野田治航空教育集団司令官、久納雄二陸上幕僚副長の3人も顧問に。

 艦艇搭載装備品などの契約があるIHIには、海上幕僚監部装備部艦船課長、海自艦船補給処副処長を歴任した河野良佐世保造修補給所長など2人が顧問に就任したほか、計5人が天下り。子会社のIHIエアロスペースも3人、IHIジェットサービスも1人の天下りを受け入れています。

 11年度の契約額10位の日立製作所は、重久修北部航空方面隊司令官が顧問になったのをはじめ計3人。

 大西康文技術研究本部電子装備研究所長、千葉徳次郎北部方面総監の2人を顧問として迎えた日本電気、顧問に折木良一統合幕僚長など2人を受け入れた富士通は、ともに契約額上位です。

 民主党・野田政権で森本敏防衛相の補佐官を務めた折木氏は、9日付で小野寺五典防衛相補佐官に再任され、富士通常任顧問を兼務することに。政府が年内にまとめる長期的な防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」に制服組トップの助言が必要と判断したもので、政官業の癒着は深刻です。

 荒川龍一郎中部方面総監を顧問として受け入れたダイキン工業などに並んで、2人の天下りを嘱託として受け入れた企業に、住宅メーカー、パナホームがあります。

 防衛省は親会社のパナソニックとは、無線修理などで契約関係がありますが、パナホーム自身は、契約関係がありません。「隊員のライフプラン(住宅建築)に関する指導・助言」(同)と利害が一致した格好です。

 同じく越智正典陸自富士学校副校長など2人を課長として受け入れた弘済企業は保険媒介代理業。旅行業のトップツアーが陸自中央会計隊長を顧問として迎えるなど、天下り先が広範囲にわたっていることをうかがわせます。九州電力の関連会社「九電工」など、89人の天下り先は62社にのぼりました。


 自衛官の天下り 自衛隊法62条は、「私企業からの隔離」として、天下りの承認にあたって、隊員の離職前5年間に在職していた官職、在職期間、当該営利企業での地位、職務内容、当該営利と防衛省との関係、承認した理由などを国会に報告することを求めています。将、将補など1佐以上の幹部隊員は防衛相が、2佐以下は、各幕僚長など所属長が、それぞれ承認します。

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