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2013年4月17日(水)

13年度予算案に対する

宮本議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の宮本岳志議員が16日の衆院本会議で行った2013年度予算案に対する反対討論は次のとおりです。


写真

(写真)反対討論に立つ宮本岳志議員=16日、衆院本会議

 私は、日本共産党を代表して、2013年度予算3案に反対、動議及び修正案に反対の討論を行います。

消費税が増税に

 反対理由の第1は、消費税増税を前提としている予算だからです。

 消費税が10%になれば、社会保障の負担増などと合わせて1世帯あたり31万円も負担が増加し、金融緩和による物価上昇と合わせると消費者物価が3年間で9%はね上がります。消費税増税は、勤労者の可処分所得と消費支出をますます減少させ、雇用の7割を支える中小零細業者の営業を破壊し、税収は落ち込み、財政危機打開にもつながりません。消費税増税は断じてやめるべきです。

 本予算案は、基礎年金国庫負担割合と2分の1の差額に必要な財源に、年金特例公債2兆6千億円分をあて、その償還財源を消費税増税で賄うこととしていますが、このようなやり方は許されません。

 社会保障の財源は、証券優遇税制や大企業優遇税制の廃止、累進課税の強化など、富裕層や大企業を優遇する不公平税制を是正すること、新規大型開発や軍事費など、歳出のムダにメスを入れることによって確保すべきです。

社会保障を削減

 第2に、社会保障予算では、昨年の民自公「3党合意」に基づく給付削減を具体化しています。

 生活保護費670億円減、生活扶助基準引き下げ等で220億円が削減されます。これらの削減は、憲法が保障する国民の生存権を脅かすものです。

 さらに年金保険給付費1500億円減、児童扶養手当7億円減など、国民が必要とする手当てと給付を削減しています。国民に消費税増税を押しつけたうえ、社会保障の根幹部分を軒並み削減しており、断じて容認できません。

経済立て直さず

 第3に、国民生活を支えて、長期にわたり低迷、後退に陥った日本経済を立て直す予算とはなっていません。

 大企業の成長戦略と利益最優先にしがみつく経済政策によって、結果的に内部留保と非正規労働者が増加し、雇用が不安定化し、中小零細企業の廃業が増加するなどの経済的悪影響が明瞭に表れており、この路線は既に破綻しています。

 いま必要なことは、大企業の内部留保を、国民所得と中小零細企業に還元することであり、労働者保護の立場で労働のルールを確立し雇用を安定させて、内需主導の経済政策に転換することです。

 日本のTPP(環太平洋連携協定)参加は、日本の広範なサービス分野をはじめ農業に打撃を与え、地方経済と暮らし・雇用・安全を破壊するものです。地方経済に与える影響の試算では、北海道・沖縄の産出額が5割減、栃木・滋賀は4割減という深刻な数字が出ています。他方で、非関税措置の撤廃が日本経済に与える影響について、政府がいまだに試算を明らかにしていないのは問題です。

 12日、日本のTPP交渉参加について、米国の承認を得るための日米事前協議で合意しました。この合意は、米国が、日本の参加を認める前提条件としていた、牛肉と保険などの要求を丸のみしたものです。事前協議の段階でさえ、安倍総理が言う「守るべきものは守る」ことができずに、すでに米国に譲歩を重ねているではありませんか。国民の利益に反するTPP参加は即刻やめることを求めます。

基地は即時返せ

 第4に、沖縄の辺野古への米軍新基地建設は断じて認められません。普天間基地は、即時無条件返還を求めるべきです。米軍のグアム移転経費や思いやり予算は全額削減すべきであり、F35の導入などの軍事費の増加は、周辺諸国との軍事的緊張を高め、東アジアの平和的環境づくりに逆行し、反対です。

抜本的な支援を

 第5に、東日本大震災から2年がたちました。

 被災者の生活と生業の再建を最後まで支援することを明確にして、復興の取り組みを抜本的に強化することが求められています。ところが被災地で切実な要求である医療・介護の減免措置に対する国の負担が計上されていないことは問題です。

 東京電力福島第1原発事故について、「収束宣言」を撤回し、国と東電は、事故の収束、被災者支援、賠償などで責任ある対応をとるべきであります。

 原発再稼働をやめ、原発からただちに撤退することを決断し、原発に頼らない、再生可能エネルギー政策への転換を求めるものであります。

 以上、討論を終わります。


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