2013年4月14日(日)
教育の国家統制 全分野で
緊急シンポ 安倍政権の危険性強調
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安倍政権が掲げる「教育再生」の狙いと危険性を明らかにしようという緊急シンポジウムが12日、東京都内で開かれました。子どもと教科書全国ネット21と日本民主法律家協会が主催し、約130人が参加しました。
教科書ネットの俵義文事務局長は、安倍政権が「教育の国家統制をあらゆる分野で徹底することをめざしている」と指摘。教科書制度では、学習指導要領と検定基準をより詳細なものにし、文部科学相が「共通に記載すべき事柄」を指定できるようにするなど、事実上の国定教科書をめざしていると述べました。また、アジア諸国とかかわる近現代史の扱いに国際理解と国際協調の見地から配慮を求めた検定基準の「近隣諸国条項」の見直しによって、歴史をわい曲した記述が生まれる危険性を強調しました。
弁護士の村山裕さんは、安倍政権の「いじめ防止対策」について、「道徳教育」の強化といじめる子の排除、統制管理強化であり、これでは解決にはならないと批判。管理や競争などのストレス、自己肯定感の低さがいじめを生むのであり、「ここに切り込まないといじめはなくならない」とし、「学校・現場の自主性の確保が必要」と語りました。
新潟大学の世取山(よとりやま)洋介准教授は、安倍政権の教育制度「改革」の問題点について報告しました。安倍政権の「教育改革」は新自由主義的であり、教育体系を「エリート教育」「ノンエリート用の職業教育」「基礎教育」などに分ける複線化を狙っていると指摘。これに対抗する運動の側が「公教育」とは何かについて基本的な考え方を鍛え直す必要があると問題提起しました。