2013年4月14日(日)
ソニー仙台 リストラ部屋
全在籍者に“仕事”提示
労組 「運動の成果」
労働者の仕事を取り上げ、退職に追い込む「リストラ部屋」問題。ソニーは仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)でリストラ部屋に在籍する14人全員に対し、仕事のある異動先を提示したことが、13日までに明らかになりました。個人面談による退職強要を拒否した労働者もリストラ部屋異動を命じられておらず、ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は「われわれの運動の成果です」と強調。リストラ部屋を完全撤廃し、まともな労働条件を勝ち取るまでたたかうとしています。
“完全撤廃までたたかう”
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ソニー労組仙台支部の調査では、新たに提示された仕事のなかには、▽出向を伴う遠距離転勤がある▽かつて心筋梗塞をわずらった人に夜勤を伴う業務など安全配慮に欠けている―など、家族や健康上の理由で応じられない条件もあり、会社がすべてのリストラをやめたとまでは評価できないとしています。
労働者が応じられない配置転換をわざと命令し、異動か退職かの選択を迫るのも、以前から使われる退職強要の悪質な手法です。同労組は、生活の成り立つまともな仕事をさせるよう求めていくとしています。
ソニーの広報担当は、今回の部署異動について「特に事情がある場合は相談する」と本紙に答えています。
ソニーのリストラ部屋は社内で「キャリア室」などと呼ばれています。会社が首を切りたい労働者に退職強要の個人面談を繰り返し、退職を拒否すると押し込めていました。リストラ部屋は、多賀城市のほか東京都内、神奈川県厚木市内にもあり、250人以上が配属されていると推計されています。
リストラ部屋は、電機・情報産業をはじめ大企業の人権を踏みにじるリストラ手法として問題となりました。日本共産党の志位和夫委員長や山下芳生、田村智子両参院議員らがリストラ問題を国会で取り上げ、田村憲久厚生労働相が1月の記者会見で、「企業が強制的に意にそぐわない仕事をさせているのであれば、実態調査しなければならない」と表明。ソニーも調査と啓発指導を受けています。