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2013年4月13日(土)

区割り法案衆院提出

政府 小選挙区制の固定化に

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 政府は12日の閣議で、小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する公職選挙法改定案を決定し、衆院に提出しました。与党は6月26日までの今国会中の成立を図る方針。

 改定案は、衆院議員選挙区画定審議会の勧告を踏まえ、福井、山梨、徳島、高知、佐賀5県の定数を3から2に変更した上、この5県を含む17都県の42選挙区で区割りを見直す内容。しかし、最大で2・524倍ある人口格差(1票の格差)は1・998倍にとどまります。

 格差を2倍未満に抑えこむ弥縫(びほう)策にすぎず、民意をゆがめ、切り捨てる小選挙区制を固定化するものです。

 政府・与党は抜本改革と切り離して改定案の処理を急ぐ方針です。衆院通過から60日経過しても採決されない法案は否決されたとみなせる憲法59条の規定に基づき、衆院で3分の2以上の賛成による再議決も辞さない考えです。

 これに対して民主党などは、格差是正には「0増5減」だけでは不十分だとして、民意を削る定数削減との一体処理を求めています。

解説

違憲・無効判決も無視

 小選挙区を「0増5減」して区割りを見直す法案は、選挙区間の人口格差(1票の格差)が2倍をわずかに下回るだけのその場しのぎの取り繕いです。しかも、人口変動によってすでに2倍を超えた選挙区があると指摘されており、憲法が求める「投票価値の平等」はとうてい実現できません。昨年総選挙をめぐる一連の違憲・無効判決を無視するものです。

 区割り自体も、格差を是正するためとして、高知市や船橋市などで選挙区が人為的に分断されます。

 小選挙区制はもともと4割台の得票で7〜8割の議席を占めるなど大政党優位に民意をゆがめる点で、国民主権や民主主義の根幹にかかわる欠陥をもっています。

 そのうえ人口変動によって常に「格差」の拡大が避けられないため、「投票価値の平等」を図れない点でも、憲法違反の欠陥をもつ制度であることがいよいよ明らかになっています。

 わずかな“区割りいじり”で問題を覆い隠し、小選挙区制度を固定化させることは許されません。(竹原東吾)


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