2013年4月12日(金)
“アベノミクスに危機感”
中央公聴会 公述人が意見陳述
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衆院予算委員会は11日、中央公聴会を開きました。8人の公述人が意見陳述し、「アベノミクス」による国民生活への悪影響や財政悪化への懸念の声が上がりました。
全労連の小田川義和事務局長は、「アベノミクスでは、賃金改善に回ってこない」と指摘。2002年―06年にも企業業績が改善したが、賃金は低下したことをあげて、「今回も同様の状況になることを懸念せざる得ない」と述べました。
小田川氏は予算について、「供給サイド重視、需要サイド抑制で労働者・国民に痛みを押し付ける内容だ」と批判。生活保護削減をやめて、非正規労働者の賃金引き上げや高校・大学の無償化の推進など国民の生活を支え、労働者の所得を増やす施策を求めました。
財界が労働法制の規制緩和として求めている「解雇の金銭解決」などについて「『解雇自由社会』に踏み出しかねない」と批判し、人間らしく働けるルールの確立を求めました。
北海道大大学院の山口二郎教授は、安倍内閣がすすめるトリクルダウン政策(大企業が潤えば労働者にも回ってくる)は「小泉構造改革で実行されたが、賃金低下は歴史的事実が証明している」と批判。「政治の力で賃金を上げる一番簡単な方法は最低賃金の引き上げだ」と強調しました。
みずほ総合研究所の高田創常務は、大幅な金融緩和で10年国債が「歴史始まって以来の低金利で、未踏の状況だ」と指摘。財政赤字の背景にある国債発行の膨張について「バブル崩壊以降の民間債務の“身代わり地蔵”だ」と述べました。
防災教育が東日本大震災で役立ち“釜石の奇跡”といわれていることについて、群馬大大学院の片田敏孝教授は「国土強靭化」の一方で、防災教育が欠かせないと強調。大阪府の中原徹教育長は教育委員会制度を解体して、首長が教育行政の責任者を選任すべきだと主張、首長が教育に支配介入する考えを述べました。