2013年4月12日(金)
“汚染水検知した瞬間に移送する”
昨年8月 東電、保安院にいいかげん報告
福島原発事故
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で地下貯水槽から高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れていた問題で、東電が昨年8月の旧経済産業省原子力安全・保安院の専門家を交えた意見聴取会で、汚染水の漏れを「検知した瞬間に、すべて空タンクに移送する」と報告していたことがわかりました。
今回の汚染水漏れでは移送する空きタンクの余裕がなく、同じ構造の別の地下貯水槽へ移送せざるを得ず、移送先の貯水槽で漏れ、最初の漏れの確認も2日かかるなどしており、実際の対応と大きくかけ離れた報告でした。保安院も貯水槽の漏えい対策に「問題はない」として、東電の説明を追認しての使用を認めており、その「甘い審査」にも問題があったことを示しています。
地下貯水槽の実施計画について、その妥当性を検討したのは、福島第1原発における「中期的な安全確保および信頼性向上に係(かかわ)る意見聴取会」。昨年8月9日から3回開きました。
出席した専門家から「(地下貯水槽の)中に直接入って修理ができないような状態で(遮水シートが)もし破れたら、もうそれをずっと見ているしかないのか」と質問。これに対し、東電土木部の篠原弘之氏は「(漏えいが)わかった段階で、実は空タンクを用意しておいて、検知した瞬間に、すべて、そちらに移送するという計画にしてございます」と答えています。