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2013年4月11日(木)

きょうの潮流

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 被災地でも新学期が始まりました。震災から2年。いまだに仮設校舎や間借りの学校も多い。人口の流出で子どもの数が減り、学校の統廃合もすすんでいます▼宮城・女川(おながわ)町では、震災前に473人いた子どもが282人と激減。三つの小学校が統合し、この4月から新しく「女川小学校」としてスタートしました。新1年生のまぶしい笑顔を喜ぶ一方で、将来の復興をになう人材の減少にきびしい現実を思います▼季節の変わり目といえども、東北の春はこれからか。サクラの開花も本番をまちます。とはいえ、野山ではカタクリが咲き始めているとか。写真集『三陸の花』を出した安原修次さんは「野の花は人の心を癒やしてくれる」といいます▼阪神・淡路大震災の後も、神戸で撮った花の写真を仮設住宅でスライド講演した植物写真家の安原さん。昨年は三陸で自生の花を撮りつづけました。北は野田村から南は大船渡市まで約130キロ。広大な土地を月の半分は車中で泊まりながらめぐったそうです▼大津波をかぶった野田村の海岸に根を張り、群れ咲くハマナス。その感動を2万枚の絵はがきにして、仮設住宅に配って回りました。手にした人のほころぶ表情に、ふれあいを実感する日々でした▼いま、安原さんは福島県の沿岸部に咲く花を撮っています。薄紅色のイワウチワや白いコブシ…。ひと気のない地で生命の息吹を記録していきます。再生への願いとともに、震災や原発によって美しいふるさとを奪われた人々の無念さを胸に。


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