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2013年4月10日(水)

“衆院定数 3割削減”

維新方針 今国会に法案提出へ

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 日本維新の会は9日、執行役員会を開き、選挙制度に関する方針を取りまとめました。衆院の総定数480を3割削減し336議席としたうえで、小選挙区を60削減して240とし、比例代表を84削減し96とする法案を今国会に提出することを決めました。国会を大幅に縮小し、現行の小選挙区制に固執するものです。

 小選挙区における「1票の格差」については、各県に1人割り振った上で残りを人口比例で配分する現行の「1人別枠方式」を廃止し、人口50万人に1議席を配分するとしています。

 比例代表部分改定の具体案は今後、政調会で議論します。

 自民、公明与党が今週中にも提出する「0増5減」案について松井一郎幹事長は記者団に「(維新の)3割削減にいく過程として五つ減らすことについて反対するものではない」と語り、自民、公明両党がいっそうの定数削減を確約することを条件に、「0増5減」案に賛成する方針を示しました。

 同党内では選挙制度改革の方向性をめぐって、国会議員団が中選挙区制への変更案をまとめたのに対し、橋下徹共同代表(大阪市長)が異論を唱えるなど、党内対立が表面化していました。

解説

現行のゆがみさらに大きく

 維新が今国会に衆院定数3割削減法案の提出を決めましたが、日本の国会議員数は人口10万人あたりで欧州諸国に比べて多くありません。3割も削減すれば、国民と国会を結ぶパイプとしての国会議員の役割や、国会の立法機能を弱め、国会の存在意義を失わせます。

 しかも、3割削減案は小選挙区に固執し、人口変動で絶え間なく「1票の格差」を生み続ける構造的問題を解決できません。一連の違憲判決は、小選挙区制が投票価値の平等をめぐって憲法違反の重大な欠陥をもつことを断罪しました。3割削減案は、それに対する答えとなりません。

 小選挙区制は、議席に反映しない「死票」が得票全体の過半数にのぼり、4割の得票で8割の議席を確保できるなど民意を大きくゆがめます。3割削減案では、現行制度で民意をより正確に国会に反映させている比例代表をほぼ半数にします。これでは、さらに現行制度のゆがみを大きくするだけです。

 さらに、自民、公明両党の「0増5減」を先行する与党案に対し、定数削減を条件にして賛成する考えを示したことは、維新が悪政の「補完勢力」であることを改めて露呈した形です。与党案に対しては与野党の書記局長・幹事長会談でも各党から批判が相次ぎました。孤立し窮地に陥っていた自民党にとって維新の賛成は助け舟。こ息なびほう策に手を貸すことになります。(藤川良太)


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