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2013年4月10日(水)

きょうの潮流

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 「鉄腕アトム」は、2003年4月7日が誕生日。手塚治虫さんが1952年に連載を開始した、その漫画の舞台は21世紀だったからです▼自分の頭で善悪を見分けられるアトムは、人間の愚かな欲望や対立を悲しみ、もちまえの正義感を発揮します。連載当時は朝鮮戦争のさなか。手塚さんはこの人型ロボットに、平和への願いをこめ、命の大切さと人類愛を語らせました▼ところが、福島第1原発事故のあと、そのアトムが「原発推進にひと役買った」などと批判されています。原子力をエネルギーにしていたためです。手塚さんは生前、原発反対や反核の立場を明確にしていただけに、的外れな言われ方に憤っているでしょう▼遺族も反論しています。長女の手塚るみ子さんはある新聞に「父がアトムで描いたのは、人間は科学を使いこなせるほど賢くない、その怖さにも気づいていない、との告発だった」とこたえています▼手塚さんは、生命の大事さを子どもにどう伝えるか、人間として生きる権利をどう描くか、いつも苦心していたといいます(石子順『平和の探求・手塚治虫の原点』)。それは60年の生涯にわたるテーマであるとともに、漫画を通した彼からのメッセージでした▼今年10歳になったアトム。その目に、いまの日本はどう映っているか。原発の再稼働や平和を脅かす勢力の台頭を嘆いているかもしれません。でも、人間を信じて悪に立ち向かった未来からの使者は、きっというでしょう。「あきらめないで、地球を救おう」


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