2013年4月10日(水)
移送先貯水槽でも漏水
福島第1原発 高濃度の放射能含む
東京電力福島第1原発の地下貯水槽から汚染水が漏れていた問題で、東京電力は9日、最初に水漏れが見つかった2号貯水槽から水を移送している1号地下貯水槽からも高濃度の放射能汚染水が漏れていることがわかったと発表しました。東電は同日午後、移送を停止しました。福島第1原発では使用済み燃料プールの冷却が長時間停止したのに続いて、地下貯水槽の水漏れが連日のように続くなど、「収束」と程遠いことを示しています。
東電によると、9日午前8時35分、1号貯水槽の検知孔から採取した水から910ppmの塩素が検出されました。8日の測定では4ppmで、急激な上昇を示していました。貯水槽にためられた汚染水には高濃度の塩分が含まれているため、東電は水漏れが原因と判断しました。午後1時40分には塩素濃度は1100ppmに上昇しています。漏れた水には1立方センチメートル当たり放射性ストロンチウムなどが約1万ベクレル含まれていました。
1号貯水槽は5日まで水は入っていませんでしたが、5日に2号貯水槽で水漏れが明らかになったため、6日から2号貯水槽の水の移送が始まっていました。8日朝の時点で水位は容量の57%となっていました。
1、2号貯水槽の汚染水は消火用の淡水タンクに移す方向で検討。一方、3号は汚染水の一部を別の貯水槽に移した上で、引き続き使用する方針です。
地下貯水槽は7カ所あります。汚染水を入れた貯水槽で水漏れが相次いでいるにもかかわらず、東電は9日の記者会見で、水漏れが明らかになった貯水槽以外は今後も使い続ける考えを示しました。