2013年4月8日(月)
福島第1原発 別の貯水槽でも漏出
汚染水計画見直し迫られる
東京電力は7日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で放射性物質の漏出が発覚した汚染水を保管する地下貯水槽とは別の貯水槽でも汚染水漏れがあったと発表しました。地下貯水槽は敷地内に7カ所(約6万トン分)ありますが、保管場所として信頼性が大きく揺らぎ、汚染水の保管計画は見直しを迫られます。
東電によると、新たに汚染水漏れが判明したのは5日に汚染水漏出が分かった2号貯水槽の海側に隣接する3号貯水槽(縦56メートル、横45メートル、深さ6メートル)。1万1千トンの汚染水が保管されています。
地下貯水槽は掘り下げた地面に3層の遮水シートを覆った構造(施工・前田建設工業)。6日の測定で、遮水シート外側の地下水からストロンチウムなどのベータ線の放射能濃度が3日の測定時の約2倍の1立方センチ当たり0・11ベクレル検出され、東電は2号から漏出した汚染水が流れてきた可能性があるとしていました。
しかし、3層構造の遮水シートの2層目と最も外側の間にある水から、7日に同2200ベクレルを検出するなどしたため、3号からも漏れたと判断しました。東電は漏れた汚染水量を最大3リットルと推定。別の貯水槽に一定量を移送して、漏出要因などを確認したいといいます。
東電は、2号の汚染水を別の二つの貯水槽に移送する作業を進めていますが、3号での漏出により貯水槽の構造自体に問題がある恐れが高まりました。同原発で貯水槽以外の保管先としては仮設タンクがありますが、8割以上が満タン。
尾野昌之原子力・立地本部長代理は7日の会見で、貯水槽を使わずに汚染水を保管することは「非常に厳しい。ない袖は振れない」と述べました。