「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年4月7日(日)

福島第1 汚染水120トン漏出

「収束宣言」後最悪

重大トラブルやまず

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)構内に設置している地下貯水槽から放射能汚染水漏れがあり、東電は6日、漏れた量は約120トンとみられると発表しました。含まれていた放射性物質の総量は約7100億ベクレルと推定され、2011年末の「事故収束」宣言が実態から遠いものであることを改めて示しました。


東電の発表 2日遅れ

 地下貯水槽は、同原発の原子炉建屋、タービン建屋の地下にたまっている高濃度放射能汚染水をセシウム除去装置で処理した後の汚染水を貯留しているもので、同原発構内に7カ所設置されています。

 放射能汚染水が漏れたのはこのうち最も大きい2号貯水槽で、地面に縦60メートル、横53メートルで、深さ約6メートルの穴を掘り、約1万3000トンがためられていました。内側にシートを三重に敷いて、水が漏れないようにしていたといいます。

 今月3日に、一番外側のシート(ベントナイトシート)と地盤の間にたまっている水に1立方センチメートル当たり10ベクレル程度の放射性物質を検出。5日に一番外側のシートとその内側のシートの間にたまっている水から同約6000ベクレルの放射性物質を検出し、汚染水が貯水槽から漏れ出ていると判断したとしています。漏えいを監視する手法にも問題があったといいます。

 東電が今回の汚染水漏れを公表したのは5日深夜で、発見から2日後でした。

 事故前の福島第1原発では、液体の放射性廃棄物の年間排出量上限が2200億ベクレルと定められており、総量の7100億ベクレルはその3倍以上に相当します。

 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、「冷温停止状態達成後に流出した放射能量としては最大になる可能性がある」と述べました。漏えいがあった貯水槽は海岸から約800メートル。東電は漏れた汚染水は土に染み込んでいますが、海への放出については「評価が難しい」といいます。

 現在、この貯水槽にためていた水をほかの2カ所の貯水槽に移送しており、3日以上かかる見通しだといいます。

 福島第1原発では、3月にも仮設の配電盤にネズミが侵入し、使用済み燃料プールの冷却ができなくなる大規模な停電事故があったばかりです。5日も、3号機の使用済み燃料プールの冷却が3時間停止するなど、事故が相次いでいます。

 また、東電は同日、問題の貯水槽の海側にある別の3号地下貯水槽で、遮水シート外側の地下水の放射能濃度が前回の検査から約2倍になったと発表しました。漏出が判明した貯水槽から汚染水が流れてきた可能性があり、東電が原因を調べています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって