2013年4月3日(水)
「新基準」問題だらけ
元原発技術者ら会見
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原子力規制委員会が策定をすすめる原発の新設計基準や過酷事故対策を定める「新基準」骨子案について、元原発技術者で国会事故調の委員だった田中三彦氏ら5人が2日、衆議院第2議員会館で記者会見し、原発の「新基準」の問題点を指摘しました。主催は原子力規制を監視する市民の会。
川崎重工業の技術者だった滝谷紘一氏は、原発の立地を決める目安となる敷地境界での線量について、東京電力福島第1原発事故では、わずか1カ月足らずで基準の100ミリシーベルトを超える234ミリシーベルトを記録したことを指摘。「福島第1原発は自ら立地不適合ということを立証した」とのべ、同じような重大事故が他の原発で起きた場合の線量評価を前提にしていない新基準を批判しました。
元東芝の技術者、小倉志郎氏は、「シビアアクシデント(過酷事故)の事態になれば、いかなる対策をとっても、住民の命と健康と財産が被害を受けることは明らか」とのべ、「シビアアクシデントは起こしてはならない」と明記すべきだと主張しました。
田中氏は、1980年代までにつくられた原発は構造技術や耐震設計が旧基準にも満たないものであり、「新基準適用以前の問題。即廃炉にすべきだ」とのべました。