2013年4月3日(水)
地震・津波を過小評価
規制委会合 専門家 電力会社の姿勢を批判
地震や津波に対する原発の新基準を検討している原子力規制委員会の専門家会合が2日開かれ、電力会社から聞き取りを行いました。地震や津波に対して過小評価する電力会社の姿勢が改めて示されました。
専門家会合は、原発を活断層の「露頭」(地表に露出した断層)が真下にない地盤に設置するとした新基準の骨子案を示しています。
電力会社側は、活断層の真上に建設されたダムの耐震対策例があることや、断層運動による「ずれ」が比較的小さな「副断層」なら、原子炉施設などに与える影響を計算し、対応する設計は可能だなどと説明しました。
これに対し、和田章東工大名誉教授は「ダムと原発では被害の大きさが違う。うまくいく話をすればするほどナンセンス」と一蹴しました。規制委の島崎邦彦委員長代理も「『副断層』の一致した見解はない。理解できない部分が多く、そこへ確率的な手法を使うのは非常に危うい」と指摘しました。
津波対策では、新基準で津波が原発敷地内に到達・流入させないこと(ドライサイト)を求めている点について、電力会社は「ドライサイトにこだわらなくても、炉心損傷は防止できる」と説明。中井正一千葉大教授は「ドライでなくてはだめ。水が敷地に入ると多重防護にならない。防潮堤を造るなら、取水槽の防潮壁くらい造るのは当然だ」と主張。電力会社は、検討したいと答えるにとどまりました。