2013年4月1日(月)
東日本大震災から2年
学校と子どもたちは
日本教育保健学会がシンポ
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日本教育保健学会(数見隆生理事長)は31日、シンポジウム「東日本大震災から2年 その後の学校と子どもたち」を横浜市で開きました。
宮城県石巻市立雄勝小学校教諭の徳水博志さんは、5年生の子どもたちが自身の被災体験を詩、構成劇、ジオラマ(立体模型)などをつくるなかで対象化していった実践を報告。
学年末には、過去、現在とともに未来をも表現した共同木版画を制作し、こどもたちが被災のつらさと正面から向き合い、自信と誇りをとりもどしつつあるとのべました。
宮城県立石巻高校養護教諭の千葉久美子さんは、疲弊する家族を支える生徒の姿が見える一方、保健室を訪れ「家族に心配をかけたくないが、もうがんばれない」と訴える生徒もいると発言。「震災から2年、止まった心の時計を少し進めてくれたのは、『学校という日常』と『ともに歩む人がいる』という温かなかかわりです」と指摘しました。
福島県南相馬市立小高中学校養護教諭の井戸川あけみさんは、いまも全員が自宅にも校舎にも戻れないなか、子どもたちの「おれたちは見捨てられたんだ」「将来なんかないよ」という言葉を紹介。「子どもたちと真剣に向き合うなかでできる信頼が、子どもが自身の課題をみつけ立ち向かっていく力をつけることに繋がると思い、ていねいにかかわっていきたい」と語りました。