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2013年3月31日(日)

米国の軍事衛星施設建設

シチリアが許可撤回

イタリア 住民反発うけ

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 イタリア南部シチリア州のロサリオ・クロチェッタ知事は29日、米国が同州内に設置する予定だった軍事衛星施設の建設許可を撤回したことを明らかにしました。前州知事がイタリア政府と合意して許可していたものですが、健康への被害を懸念する住民の反対に押されて撤回に追い込まれました。

 問題になっているのはMUOSといわれる米海軍が開発中の衛星通信システムです。米国は、米軍と同盟国軍の通信能力を高めるとして、同システムの施設をシチリア州南部ニシェミに設ける計画でした。

 地元住民らは、同システムから発射される電磁波が健康に悪影響を与える恐れがあるとして反発。計画が明らかになって以降、繰り返し住民集会などを開いて抗議の意思を示してきました。ニシェミでは30日にも数千人による抗議行動が予定されていました。

 イタリア紙コリエーレ・デラ・セラによると、州都パレルモで会見したクロチェッタ知事は「関係部局を通じて、MUOS施設の建設許可は最終的に撤回された」「これが州当局の決定であり、手続きは終了した」と述べました。

 米国防総省の広報官はロイター通信に対し、「地元住民から寄せられた健康上の懸念に対処するためにイタリアの保健当局と引き続き連携していく」と表明。イタリア政府に働き掛ける姿勢を示しており、予断は許しません。

 設置計画は2011年6月、ロンバルド前州知事とラルッサ国防相(当時)が合意し、許可されました。反対運動が盛り上がるなか、クロチェッタ知事は今年2月、建設計画の延期と健康や環境への影響調査を決めていました。(島田峰隆)


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